農地中間管理事業に対する評価

農地中間管理事業に対する評価

「農地中間管理事業の推進に関する法律」第6条に基づき、「農地中間管理事業評価委員会」(※)から、農地中間管理事業に対する評価・意見が提出されます。

※【農地中間管理事業評価委員会とは... 
 評価委員会の委員(6名)は、農業振興に関する知識を有し、農地中間管理事業に関し、客観的かつ中立公正な判断をすることができる者のうちから、佐賀県知事の認可を受けて佐賀県農業公社理事長が任命します。


令和6年度 農地中間管理事業に対する評価・意見

 令和7年6月6日(金曜日)に佐賀市内で開催された「農地中間管理事業評価会議」において、令和6年度農地中間管理事業に対する評価・意見がとりまとめられました。

1 農地貸借の実績について

〇令和6年度実績
・ 農地中間管理事業の令和6年度の実績は、借受面積が732ha(計画比105%)、貸付面積は792ha(計画比109%)で、計画目標を上回っている。

令和7年3月 までの累積実績
・ 平成26年度の制度開始からの累積実績は、借受ベースで7,515ha、貸付ベースで7,859ha、ストック面積は6,333haと着実に増加している。
・ 新規集積面積は、平坦地域は担い手にほぼ集積されていることから、他県と比べると平成26年度の事業開始からの累計で333haと少ない。
・ 市町別では、白石町(388ha)や佐賀市(95ha)などで多く、市町によって活用実績の差がある。白石町と佐賀市では、JAが実施していた農地利用集積円滑化事業からの移行に伴い活用が増加している。
・ 経営体別では、これまでの累計貸付実績でみると集落営農法人が57%、個別農業経営体が43%で、県内の集落営農法人90法人のうち75%の67法人が農地中間管理事業を活用しており、本県では集落営農法人が農地の受け皿の主体となっている点が特徴である。
 令和3年度以降は、集落営農法人の事業活用はひと段落し、JAが実施していた農地利用集積円滑化事業からの移行に伴い、個別農業経営体への貸借割合が増加しており、令和6年度は約80%と多くを占めている。

2 推進方策について

(1)事業の推進状況
〇特徴的な取組(農地の中間保有)
・ 新規就農者等の育成や担い手の規模拡大等の取組を推進するため、県・市町等の農業施策と連携し、機構が優良農地を事前に確保し、中間保有した後就農のタイミングにあわせて耕作者へ貸付を行っている。
・ 県では、新規就農者の確保・育成の一環として、就農のための経営技術習得の場として、「トレーニングファーム」の整備を支援、また、その修了生などの就農できる圃場として「園芸団地」の整備支援を県内各地で進めており、農地中間管理の関わりが見られる。
・ 令和6年度では新たに白石町の園芸団地農地(1.7ha)の中間保有に取り組んでおり、市町関係機関から機構の中間保有の機能が期待されている。
・ 令和3年度から中間保有している嬉野市の園芸団地農地(5.1ha)のうち、令和3年度から令和5年度に2.7haを4名のトレーニングファーム修了生に貸し付けており、令和6年度は約0.6haの農地をきゅうりのトレーニングファーム修了生1名に貸付をしている。
 また、令和4年度から中間保有していた武雄市園芸団地農地(朝日2.6ha)のうち令和5年度に0.5haの農地を1名のトレーニングファーム修了生へ貸し付けており、令和6年度は1.5haの農地をきゅうりのトレーニングファーム修了生3名に貸付をしている。
 今後も園芸団地拡大に伴う担い手の確保・育成に取り組んでいくことが期待される。
・ このような取り組みの成果もあり、農地中間管理事業を活用した認定新規就農者への貸付も毎年増加傾向にあり、定着しつつある。

(2)市町等との連携
〇特徴的な取組(農地整備事業と連携した推進)
・ 機構関連農地整備事業についても市町関係機関と連携した事業の推進や担い手への農地集積・集約の推進に取組み、鹿島市に続いて、伊万里市、唐津市と事業に取り組んでおり、基盤整備とあわせた農地の集積・集約を目指している。
・ 農地整備事業や園芸団地育成、農地中間保有等は、特に県、市町、JA、農業会議などと連携した取組がこれからは大事だと考えられる。

〇農地中間管理事業の手続き・業務の円滑な推進等 
・ 地域計画策定に向けて、また地域計画策定後の貸借が中間管理事業に一本化することについて、県・農業会議・JA等と連携した取り組みができている。
・ 市町との役割分担については、全市町からの協力を得るために尽力するものの理解を得られず、公平・平等性について強く要請され、市町との調整が難航している。県内全て統一することは難しく、市町別の対応となってしまったものの、令和7年度の体制について全市町と調整ができているため、今後も引き続き市町との連携強化に努めてほしい。
・ 農業者からすれば、農地中間管理機構と市町、農業委員会の十分な協力により、県内で統一した方針、同じ高いサービスを受けられることから、機構と市町等との連携に県・国の支援や指導も求める。

(3)その他
○賃料未収金について 
・ 賃料の未収金は、要領作成や弁護士との顧問契約などの未収金改修に努めている。
 公社の運営においても課題であることから、引き続き適切に取り組んでほしい。

今後の課題と取組について

〇平坦地域、中山間地域における課題と対応
・ 佐賀県の令和7年3月末現在暫定値での担い手への農地集積率71.0%(全国は算定中)となっており、前年の70.9%から0.1%増となっている。市町別に集積率の分布をみると、80%以上が8市町、60~80%未満が5市町、40~60%未満が4市町、40%未満が3市町で、市町間の格差が大きい。
・ 中山間地域では、小さな圃場や水はけが悪いなど基盤整備が不十分な圃場が少なくない、これらの圃場の多くは70歳以上の高齢者が中心となって耕作しているところが少なくない、
 また不在地主も多く、このままでは、、あと5年もすれば耕作放棄地の多発が懸念される。
 若い世代の農業者が耕作を継続できるよう、担い手の確保、基盤整備の予算の増額等を至急お願いしたい。

〇地域計画の実現に向けた取組
 令和7年度は、市町が策定した「地域計画」の実現に向け、目標地図の達成に資するよう市町・市町農業委員会等と連携して、農地中間管理事業による農地の権利設定等を実施するとともに、農地情報を把握した上で、広域での担い手と農地とのマッチング支援や、担い手への農地の利用権の交換等による集約化や園地集積の支援が重要である。

〇法改正に係る課題と対応
 令和5年4月に農業経営基盤強化促進法等の一部改正が施行され、令和7年3月までに地域計画を策定することが法的に位置づけられた。令和7年4月からは、「地域計画」の達成に向けて、機構の「農用地利用集積等促進計画」によって農地の貸借が行われるため、農地の貸借については、農地中間管理事業に原則一本化される。
 このようなことから、これまで以上に市町・農業委員会等関係機関との役割分担や連携が必要不可欠であるため、引き続き連携強化に努めてほしい。あわせて業務量の増加に適切に対応していくためにも、組織体制強化等についても検討を続けるとともに、予算確保に向けた国への働きかけを継続してほしい。
 また、手数料徴収については、利用者への徹底的な周知や、権利設定時の丁寧な説明を心掛け、理解を得られるように努めてほしい。


令和6年度 評価書(ファイルダウンロード用)

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